リサーチレポート IR活動を成功に導く
情報発信戦略のポイントとは?
個人投資家が投資先企業の
選定で重視する情報の
内容・収集チャネルを調査

2021年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂、2022年4月の東証再編など、日本の企業に企業価値向上のための努力が求められるトピックスが続く中で、個人投資家が投資先企業を選定するために行っている情報収集活動について調査。全体的な傾向を把握するとともにクラスター分析を実施して投資家の4つのタイプを抽出。タイプによるサステナビリティ情報の重要度の違い、情報収集チャネルの違いなどを明らかにしています。

目次

調査結果サマリー

機関投資家が分析対象の企業価値評価を行う際の非財務情報を重視する傾向は日に日に高まっていますが、今回の調査においては、個人投資家においても同様の傾向が見られることが示されています。
さらに質問への回答パターンの分析によって4つの投資家のタイプを抽出。個社のIR戦略に応じた情報発信計画の方向性も浮かび上がらせています。

主な調査項目

  • 個人投資家は企業に対してどのような情報を求めているのか
  • 個人投資家は企業のホームページをどのように活用し、どのようなことを期待しているのか

どのような情報を求めているのかについては、経済産業省が公表している『価値協創のための統合的開示・対話ガイダンス』なども参照しながら質問項目を設定。価値観、ガバナンス、ビジネスモデル、戦略、サステナビリティ、業績、その他、の大項目からなる31項目について回答を得て分析しています。

投資対象としたい企業を
選定するための情報の重要度合い

投資対象としたい企業を選定するための情報の重要度合いでは、戦略とビジネスモデルに関わる情報が上位を占めています。
「事業の概要」(88.0%) 「成長戦略」(86.4%) 「業績予測」(85.9%) 「ビジネスモデルを支える資産」(85.1%) 「ビジネスモデルの優位性」(83.3%)
サステナビリティ関連情報については、全体の傾向としては必ずしも重要度が非常に高いとは言えませんが、クラスター分析の結果からは投資家のタイプによってその傾向は大きく異なり、これを重視する層の存在が示唆されています。

投資対象としたい企業を選定するために
発行会社のホームページで容易に理解できるとよい情報

投資対象としたい企業を選定するために発行会社のホームページで容易に理解できるとよい情報としては、投資対象としたい企業を選定するために重視する情報が上位を占め、投資家が重視する情報は、統合報告書や決算発表資料にとどまらず、ホームページコンテンツとしてアクセスしやすい状態にすることが望まれる傾向が見られます。
「成長戦略」(43.9%) 「事業の概要」(41.8%) 「ビジネスモデルの優位性」(39.9%)  「業績予測」(37.9%) 「企業理念(ミッション、ビジョン、バリュー、パーパスなど含む)」(37.6%)

非財務情報重視層のクラスター分析により、
4つのグループの特徴を明確化

非財務情報重視層についてより深いインサイトを得るために「投資対象としたい企業を選定するために重視する情報」31項目についての重視度(5段階)の回答をもとに因子分析を実施。各サンプルの因子得点をもとにクラスター分析を行って、特徴を持つ4つのグループを抽出しました。

因子分析結果(因子負荷量)

因子得点によるクラスタリング(k-means法)

各クラスター別の因子得点(CLS別平均)

以上の手順によって

  • CLS0:全ての情報をあまり重視しない
  • CLS1:全ての情報を重視する
  • CLS2:サステナビリティ関連情報をより重視する
  • CLS3:業績・株価直結情報をより重視する

という4つのクラスターを抽出。各クラスターに属する投資家を、投資経験年数、株式保有年数などの観点から分析した結果からは、それぞれの特性が浮かび上がっています。
こうした調査結果から見えてくるのは、個人投資家のタイプに合わせた情報内容・発信チャネルを戦略的に組み合わせたコミュニケーションの重要性です。いずれのタイプの個人投資家も大きな傾向として、ビジネスモデルや成長戦略を重視しており、今後の流れとしてはサステナビリティに関する情報発信は必須になってくると思われます。それ故いずれも統合報告書に留めるのではなく、アクセスしやすいコンテンツとして用意しておくことが大事になります。

クラスター分析の結果を含む本調査結果の詳細につきましては、右の「資料ダウンロード」から調査結果資料(概要版)をダウンロードください。

日本経済社では、日経グループの豊富なIRソリューションのご案内を中心としたクライアント企業様のIR活動の支援を行っています。また、IRにとどまらず、コーポレートコミュニケーション戦略の策定~推進にお役立ていただけるよう、ここでご紹介した方法を含む様々な調査手法を駆使したオリジナル調査によるデータ収集のサービスもご提供しています。オリジナル調査のご相談についてもお気軽にお問い合わせください。

「個人投資家の情報収集活動に関する調査」の調査概要

調査対象者
投資先企業の選定にあたって、非財務情報を含む企業の
ファンダメンタル情報を活用する個人投資家。383サンプル
調査手法
インターネット調査
調査実施期間
2022年5月12日(木)~5月17日(火)

執筆者

野口 豊嗣
日本経済社
コミュニケーションプランニング局
エグゼクティブプランナー 博士(経営学)

久野 麻人
日本経済社
コミュニケーションプランニング局
シニアエグゼクティブプランナー

※内容および執筆者の所属・肩書は2022年12月現在のものです

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