リサーチレポート コロナ禍の在宅勤務がもたらした、
都内から都外へのマンション購入/移住ブーム。
東京に残る層と東京を脱出する層の違いとは?
~第29回大規模マンション購入者調査より~

日本経済社では、首都圏の大規模マンション購入者を対象とした調査を毎年実施しています。コロナ禍にあるこの約3年ほどの間、企業による在宅勤務が推奨されて通勤機会が減った結果、都内から都外のマンションへと移住する層が増加しました。マンション購入に際して東京に残る層と東京を脱出する層の間にはどんな違いがあるのか、調査の分析結果から一部をご紹介します。マンションの企画・販売に携わっている方で興味がおありの方は、ぜひご一読ください。

目次

直近5年間の調査結果における変化について

コロナ禍での在宅勤務層の増加による都内から都外へのマンション購入/移住ブームが、本調査結果でも数値として顕在化しています。

都内立地マンション購入者中に占める都内在住者(東京残留層)比率と
都外立地マンション購入者中に占める都内在住者(東京脱出層)比率の推移

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都内マンション購入者に占める都内在住者(東京残留層)が減少した一方で、東京外3県のマンション購入者中の都内在住者(東京脱出層)が増加しました。

※コロナ禍による都外への移住ブームは一昨年頃から話題になっていましたが、本調査は居住者対象であり購入~入居までにタイムラグがあるため、今年になって初めて数字として顕れたものと思われます。

東京残留層と東京脱出層

東京残留層と東京脱出層の属性を比較してみると、
・年齢(40代以上):残留層/49.7%、脱出層/27.3%
・年収(1,000万円以上):残留層/29.0%、脱出層/12.6%
と、残留層が脱出層に比べ、年齢・年収ともやや高めとなっています。

東京残留層と東京脱出層の世帯主年齢比較

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東京残留層と東京脱出層の世帯主年収比較

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都内物件の価格は都外よりも高額であり、収入の高い層でなければ購入しづらいためこの結果は当然とも言えます。
しかし、その残留層の半数が『価格に対する感想』として、”割高と思った”と回答しており、購入について『予算通りだったか』という問いに対しても”無理をした”という回答が半数を占めることから、単純に「都内物件を買えるだけの収入があるから残留した。」ということではなさそうです。

購入価格に対する感想

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予算通りだったか

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無理をしてでも都内に残留する人、反対に無理せず都内から脱出する人とはどんな人たちなのでしょうか?

東京残留層と東京脱出層の価値観とライフスタイル

両層のマンション検討時の意識より、
『よいものなら高くても買う ⇔ 基準を満たしたものの中で安いものを選ぶ』
をみると、残留層では約6割が「よいものなら高くても」と回答しているのに対して、脱出層では6割超が「基準を満たす安いもの」を選ぶと回答しています。

つまり、残留層が ”よいもの” に対するこだわりが強いのに対して、脱出層はモノと価格のバランスにおいて柔軟な思考ができる人であることが分かります。

マンション検討時の意識(一部抜粋)

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また一方で、『住まい/暮らしについての考え方』を残留層と脱出層、それぞれに分けて集計してみると、ポイント差の大きい上位5項目は以下の通りとなります。

※ポイント:「そう思う」「ややそう思う」「どちらともいえない」「あまりそう思わない」「そう思わない」の回答を順に5~1点とした加重平均。

“残留層”の回答が”脱出層”よりも高い上位5項目

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“脱出層”の回答が”残留層”よりも高い上位5項目

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①からは残留層の傾向として、”社交的かつ、向上心があり自己顕示欲がやや強い人”といった印象がうかがえます。
②をみると脱出層の傾向は、”東京脱出が賢い選択と思っている、夫婦でゆるく生きたい人”であることが推察されます。

企業の経済活動や勤務体制は徐々に元に戻ってきていますが、在宅勤務が一定の定着をみせている業界もあり無視できないターゲットとなる可能性もあります。
・都内物件で都民顧客を集めたい(残留層を獲得したい)
・千葉・埼玉・神奈川物件で都内から顧客を呼び込みたい(脱出層を獲得したい)
という場合、彼らのプロファイルや住意識を踏まえたアプローチが重要と考えられます。

東京残留層と東京脱出層のマンション選定

「大規模マンション購入者調査」では、購入者がマンションを選定する際に何を重視しているのか、「立地」「建物」「専有部」の別に調査しています。
東京残留層と東京脱出層は、その意識や価値観の違いに基づくと思われるそれぞれの選択基準でマンション選びを行っています。その詳細につきましては、「資料ダウンロード」から調査結果資料をダウンロードください。

日本経済社では、オリジナル調査などを用いて、マンション販売のマーケティング戦略策定をご支援しています。各種調査も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

⽇本経済社「⼤規模マンション購⼊者調査2022」調査概要

調査期間
2022年6⽉1⽇(水)〜 20⽇(月)
調査⽅法
調査票留置法(投函により配布、郵送にて回収)
調査対象
⾸都圏で2021年4⽉〜2022年3⽉に竣⼯した総⼾数150⼾以上の物件
42件中28件、7,000⼾に配布
回収数
908件

執筆者

神田貴志
日本経済社
統合マーケティング局 マーケティング1部
部長

※内容および執筆者の所属・肩書は2023年2月現在のものです。

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